デベロッパーツール特集第3回

Google Chrome版Firebug:デベロッパーツール取扱説明書の第3回はウェブサイトの最適化です。
Timelineパネル、Auditsパネルの使い方を解説しました。正直なところ、こういう最適化が必要なケースってあんまり少ないんじゃないかなーと思わないこともないのですが、知らずにやるのと知ってて無視するのとでは何かあったときに致命的な違いにもなり得るので、どういうものか見て頂ければと。
記事では「こういったツールの結果は参考にしつつも過信しないようにしましょう。」と締めているのですが、「これらのツールを使ってサイトをガンガン高速化しちゃいましょう!」みたいに締める方が「よくある」んだと思います。自分がそういうやり方が好きじゃないので意図的にそうしてますが、デベロッパーツールに関してはもっと受ける(釣れる)ようにしてとにかく広めることを目的にしても良いんじゃないかと思ったりもしています。(タイトルを取扱説明書なんて控えめにしないで、「まだFirebugをお使いですか?」みたいな。やらないけどね。)

HTML5ガイドブック

Google API Expertが解説するHTML5ガイドブック

Google API Expertが解説するHTML5ガイドブック


インプレスさんより、Google API Expertが解説する HTML5ガイドブックという本が2010/09/16に発売されます。
@futomiさん(Canvas、Drag&drop、FileAPI)、@Shumpeiさん(ApplicationCache、WebSocket、WebWorker)、@openspcさん(Video&Audio、Geolocation)に私(SVGと付録でECMAScript5とCSS3 Transitions)の4人での共著です。
内容はHTML5、というよりHTML5の関連APIについてです。HTML5の仕様自体についてはそれほど触れていません(特に私は…)。
というのも、HTML5の仕様自体というのは、これまでDOM Level0と呼ばれていたような各ブラウザで大体同じような動きをするけど仕様にはなっていなかったところや、間違ったHTMLについてブラウザはどう解釈するべきかとか、ブラウザを実装する側向けに定義された部分が少なからずあります。もちろんそれ以外にも色々ありますが、基本的に細かいトピックスの集合です(大きいトピックスは分離される傾向がありますし)。
多くのウェブ開発者にとって興味があると思われる新しいAPI(CanvasとかWebWorkerとかWebSocketとか色々)についてはHTML5の関連APIと呼ばれていて、HTML5自体の仕様ではないものが多いです。で、今回のHTML5ガイドブックはそういった新しいAPIを中心にした解説本です。多くの方にとって興味があるのはそういった新しいAPIだと思いますので、(安心して?)手にとって頂ければと思います。
ただ、新しいAPIと書きましたが私が担当したのはSVGだったりします…。SVG自体はどこも新しくないんですよね。ただ、HTML5(の仕様)でHTML中に直接SVGを書けるようになる(IE9やFirefox4にChrome7では既に実現済み)ので、今後はHTMLとの連携がポイントになってくるってところをネタに書きました。で、ご察しの通り特集:スタートアップ SVG|gihyo.jp … 技術評論社とテーマ的にも時期的にも被っています…。
ただ、SVG以外にECMA-262 5th Edition(ECMAScript5)についても付録として書きました。ECMAScript5はまだ解説記事が少ない(と思う)ので、結構しっかり書いたつもりです。特にECMAScript5では読み取り専用属性などを定義できるようになったりと、大規模開発を意識した改訂が加えられています。HTML5でウェブアプリケーションが高度になっていくのに関連して、ECMAScript5もそれに適した言語へと進化しようとしています。そのあたりを是非チェックして頂ければと!
では、HTML5ガイドブックをよろしくお願いいたします。